アルゴリズムの正しさ
プログラムの勉強をしていると必ずぶつかるのがアルゴリズムという言葉。このアルゴリズムとは一体何なのかというと、問題を解くための手順を定めたものだ。この手順をきちんと定めればコンピュータに問題を解かせることができる(もちろんアルゴリズムはコンピュータに限った話ではないけど)。
ここで、どういうアルゴリズムが正しいアルゴリズムなのかということを知らなくちゃいけない。正しいアルゴリズムの条件とは次のようなものだ
(1)どんな入力データに対しても間違った答を与えないこと、言い換えると、答を与える場合にはその答が正しいこと。
(2)どんな入力データに対しても有限の時間で答を与えること、すなわち、計算を完了すること。
つまり、アルゴリズムが出す答は正しくなければならず、かつそれが本当に答を出すことを保証していなければならない。
アルゴリズムの証明の方法
プログラムの中の特定の場所で変数の値の間に成立する条件式を表明(assertion)、ループの中で回るたびに常に成立している表明のことをループ不変条件(loop invariant)という。アルゴリズムの正しさを証明する基本的な手法は、ループ不変条件の成立を示すことだ。
例)ユークリッドの互除法
ステップ1:mをnで割って、余りをrとする。
ステップ2:r=0であれば、アルゴリズムは終了する。このときnが最大公約数である。
ステップ3:m<--nとする。次にn<--rとして、ステップ1に戻る。
たとえば、36と14の最大公約数をユークリッドの互除法を用いて求めると下のようになる。これは上のステップを繰り返し適用して求めたものだが、繰り返しの手順を経ても、最大公約数は変化しない。これがループ不変条件。
m n 商 r
- -
36 / 14 = 2 … 8 <--36と14の最大公約数は2
14 / 8 = 1 … 6 <--14と8の最大公約数は2
8 / 6 = 1 … 2 <--8と6 〃
6 / 2 = 3 … 0 <--6と2 〃
ループ不変条件が成立することを証明するには、次の2つのことを確認する。
(1)繰り返しが始まる直前にこの条件が成立していること。
(2)この条件が成立している時に繰り返しを1回進めると、再び条件が成立すること。
これはちょうど数学的帰納法による証明と同じである。
・・・と、いまアルゴリズムについて勉強しているので書いてみた。
参考文献:
アルゴリズムとデータ構造 (岩波講座 ソフトウェア科学 3)
- 作者: 石畑清
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